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スポーツドリンクとは!?

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スポーツドリンクは、“スポーツ”というネーミングから、運動や競技を行う際には飲むものだと思っている方が多いです。

ところが、スポーツドリンクにはアスリートのパフォーマンスを有意に高める特別な成分は入っておらず、その中身は体内への浸透をコントロールし、正常な細胞活動に必要な酸塩基バランスを維持する物質である電解質が主成分となっています。

子供の頃など遠足の時に水筒に入っているポカリが嬉しかった〜なんて思い出がある方もいるのでは?
風邪引いた時に飲むことも多いですよね。

そんな昔から私たちの身近にあったスポーツドリンクについて今日は解説します!

1.スポーツ飲料の種類

(1)ハイパートニック(Hypertonic)

体液の浸透圧より高い
より多くの炭水化物や電解質を必要とする長距離ランナーなどアスリート向けです。

例:VAAM

(2)アイソトニック(Isotonic)

体液の浸透圧とほぼ同じ(等張性)
平均的なアスリート向けの作りになっています。

例:ポカリ、アクエリアス

(3)ハイポトニック(Hypotonic)

体液の浸透圧より低い
一般的にアスリートの競技中の浸透圧は2~3%程度まで糖分の浸透圧が低下します。
ハイポトニック飲料は、運動時の浸透圧に近い状態に調整されたスポーツドリンクです。

例:アクエリアスクリアレモン、ポカリスエットステビア

2.浸透圧とは?

溶質(水に溶けている物質)は通さないが、溶媒(水)は通す性質をもつ半透膜を隔てて濃度の異なる溶液が接した場合、低濃度溶液の溶媒が高濃度溶液の方に拡散しようとする現象を浸透現象といい、その圧力を浸透圧といいます。

文字で説明されると少々難しく感じますが、私も昔理科の授業で習いました!
私たちの身近なところで言うと、むくみですね。
味の濃いものを食べた次の日の朝は、顔がパンパンに…ということありませんか?
あれは濃度が濃くなった体液を薄めるために、体がどんどん水分を取り込んだ結果、体にはむくみとして現れるんですね。

3.浸透率とは?

体液の浸透圧より低い飲料(ハイポトニック)は体内に早く吸収されます。
体液の浸透圧と同じ位の飲料(アイソトニック)や体液の浸透圧より高い飲料(ハイパートニック)は、体液の浸透圧より低くなってから体内に吸収されるので、ハイポトニック飲料に比べて体内吸収に時間がかかります。

因みに、水やお茶は、ハイポトニック飲料と比べて浸透圧はかなり低いです。

4.スポーツドリンクの真実

スポーツドリンクは運動する人たちには大事なものですが、特に明確なエビデンスや効果が実証されているものではありません

しかし、例えばアスリートランナーのレース中のパフォーマンス低下は、トレーニング量の問題ではなく脱水によるものという見解もあり、
発汗により体重が2%失われると、パフォーマンスに支障が生じ、4%で筋肉の運動作用が低減し、5%で熱疲労、7%で幻覚症状、10%で循環虚脱、熱射病が起こるということも言われています。

スポーツドリンクによる水分補給で、上記のような症状が改善されるかというとそこはまだスポーツドリンク自体のエビデンスがない分、はっきりと効果があるとは断言できないようです。
ですが、少なくとも発汗による脱水を防ぐことでパフォーマンス低下を防げる可能性はあるので、やはり水分補給は絶対に必要で、かつ吸収しやすいに越した事はない=スポーツドリンクは活用すべき、ということが言えそうです。

5.肥満の危険性

人体は適温を維持するため発汗し、その過程で電解質が失われます。

しかし、基本的に体の機能である程度は調整されているので、特にスポーツドリンクを飲んで補充しなくても、そうは簡単に欠乏するものではありません。

バランスの取れた食事をすることで、運動や生活活動に必要な量を摂ることが出来ます。

ところが、スポーツドリンクはソフトドリンクと同じような感覚で普段から必要以上に飲まれる方がいます。

スポーツドリンクに人気がある理由は…「 美味しいから!! 」(気持ちはわかります。笑)
そして多くのメーカーが、電解質を含まない水であっても、甘味料、砂糖、風味、色を添加して消費者を引き付けています。

要するに、ジュースと同じなので、飲み過ぎれば太る!
生活習慣病の危険性も!
(以前、アミノ酸ダイエットが流行った時に、アミノ酸入りを謳ったスポーツドリンクを毎日飲んだ結果、糖尿病になった方がいることが話題になりました。)

特にアメリカで大問題となっている高果糖コーンシロップ(HCFS)が、スポーツ飲料や高カフェインのエナジードリンクにも多量に含まれているので注意しなければいけません。

高果糖コーンシロップ(HCFS)…???
初耳の方もいるのではないでしょうか。
この高果糖コーンシロップ(HCFS)は、実は異性化糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、砂糖混合異性化液糖などがこれに当たるのです。
これらは聞いたことがありますよね!

具体的には…スポーツドリンクの王道、アクエイリアスの成分にも“高果糖液糖、果糖”と表示されています。
これらを全く摂らないようにということではなく、
普段の飲み物として、スポーツドリンクばかり飲んでいると、想像以上に糖分や余分な電解質まで摂ってしまい、体には負担になってしまうということです。

運動するときや、汗をかく時、体調不良であまり食べられない時などに、適度にスポーツドリンクを取り入れたいですね。

ではまた次回!

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